パワハラ、セクハラは一般的に知られている言葉になっていますが、もう一つ3大ハラスメントの1つと言われている「マタハラ(マタニテイハラスメント)」というものがあります。
ぼくも最近知ったのですが、これは女性の問題ではなく男性にも、そして、子供を授かったこれから親になる「夫」の人たちにも関わってくる問題だと思うので調べてみました。
1.マタハラが問題になっている。
マタハラという言葉も元々知らなかったのですが、たまたまネットの急上昇キーワードで話題になったので「マタハラ」と検索してみたら、かなりの数の記事がヒットしました。
・ワーキングマザーを苦しめるマタハラはなぜ減らない? 一方的な移動に解雇、嫌がらせ
・「時短なんて甘ったれるな?」マタハラに遭うワーキングマザーの苦悩
・セクハラより多いマタハラ 職場の妊婦への無理解が流産招き少子化解消を阻む
読んでみると正直、パワハラやセクハラよりも深刻なんじゃないかと思う内容が伝わってきます。
2.マタハラとは
マタハラとは「マタニティハラスメント」の略で、妊娠した女性に対してフルタイムで働けなくなったことへの嫌味を行ったり、体調が悪くても無理に出勤や仕事をさせたり、出産を理由に解雇や移動をしたりすることです。
男女雇用機会均等法では、非正規社員を含めて、妊娠や出産を理由にした解雇や雇い止めを禁じているのですが、それでもこういったことが現状としておきているようです。
いくつかの記事を読んでいるといろんな事例がありました。ある女性は妊娠初期にニューヨークへの出張を断りきれず、アメリカで流産を経験したそうです。またある女性はつわりが酷くて電車に乗るのが精一杯の状況で「今日も遅刻するんだ…」などと冷たい言葉を上司に言われ、吐き気をがまんして出社しました。切迫流産で入院中に退職届を持ってきた上司もいるそうです。
3.マタハラをする人は妊婦への理解が足りない
ここはちょっと勝手な想像ですが、パワハラをするような人って奥さんが専業主婦で夫は奥さんの妊娠への理解があまりない人なんじゃないかと思います。このブログを書いていて、ぼくは妊娠への理解を深め流産のリスクなども知りました。そして、妊娠初期は体を気遣うことの大切さや妊婦の辛さ大変さも知ることが出来ました。そんなぼくが以前の職場でのことを思い出すとやはり妊娠した同僚への配慮ができてなかったのかと思います。もちろんマタハラになるようなことはしていませんが、妊婦への理解や思いやりが今よりなかったのは事実です。
そして、今では奥さんの妊娠ブログを書くようになって理解が深まってきましたが、正直、ここまでいろいろと調べる夫は少ないと思います。それでも、今の若い父親はイクメンという言葉が流行るように子育てや奥さんの妊娠に理解が有る方でしょう。
なんとなく理解がないんじゃないかと思うのはもう少し年上の奥さんが専業主婦の世代です。家のことは奥さんに完全に任せていた人は多分妊婦の辛さはわからないでしょうし、理解しようとしてないんじゃないでしょうか?
4.単なる嫌がらせなのか、それとも人の使い方が下手なのか?
ある妊娠した女性が職場に「妊娠しました。すいません。」と報告するという話が載っていました。少子化問題が話題になっているのに、妊娠したことを謝罪しなければいけないような社会は何かおかしいと思います。それは、会社の風潮が問題なのでしょうか?
切迫流産して入院している人に対して退職届を書くように促すなんてあまりにもひどい対応じゃないでしょうか?
ちょっとした言葉の暴力も問題だと思います。そういったことをする人は単なる嫌がらせでしている、性格が悪い人おかしい人なのではないかと疑ってしまいます。
未だに妊娠を機に仕事を辞める人が6割もいるそうですが、せっかく仕事を覚えた人が辞めてしまうのは会社にとっても損害だと思うのですが、なぜそういう人を大切にするような土壌がないのか不思議です。まあ、そういう会社に限って新規の人材募集を常にしているような状況だと思いますが。
5.会社にも言い分があるのはわかる
ある記事では会社側の言い分も書いてありました。さらに以前、日経ビジネスの特集で女性を活用するという特集がありましたが、その中に制度にぶら下がる社員のことが書いてありました。そういった人が一部でいると、一生懸命働いている女性が制度を使うときに非難の材料になってしまい、そういうことで、会社も及び腰になるのもわかります。
しかし、マタハラはそれとはまた別の問題です。
6.マタハラは奥さんだけの問題ではない
マタハラは夫にも問題です。結婚して念願の子供がやっと出来たと思ったら仕事のせいで流産してしまうということもあります。妊娠初期の流産が先天性異常によるもので、妊婦の生活は関係ないという人もいますが、それだけではない場合も必ずあると思います。
切迫流産の場合は主婦だと7%なのが、仕事をしている女性になると14%にも数字が上がるそうです。
奥さんがあまりにも仕事が大変そうだったら、ちゃんと話を聞いて上げて、ときには無理矢理でも会社を休ませるようなことも必要なのかもしれません。夫として何ができるか、妊娠について理解することが一番必要だと思います。
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